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そんな駅の肖像を描く 駅物語

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更地 (名古屋鉄道・谷汲線)
  岐阜県揖斐郡大野町 (2001年10月1日廃止)
 〜 更地は名のとおり更地に戻るのか 〜

 

 

更地と書いて「さらぢ」と読ませる。
更地駅で見た景色。

周囲は小山が見えるが土地は地名どおりなだらかで駅の横には稲田が広がる。

使われなくなった向かいのホームは畑と化している。

     
 

炎天下の簡易的な日よけだけがついた一本のホームに一本の大きな木がやさしく陰をつくる。
長年、もしかしたらこの地に鉄道が敷かれ、駅ができた時からこの木は存在し、見守っていたのかもしれない。

火の見やぐらと鐘もおそらくこの集落の古株だろう。4と書かれたキロポストの向こうを夏休みの学生が自転車で通りすぎる。

     
  小ぶりなひまわりは小雨のためだろうか、花にも葉っぱにも勢いがない。
小川の上には短い鉄橋がかかる。コンクリートの川底が藻のせいで少し自然をとり戻している。
更地駅の景色はこんな感じですべてのものがお互い干渉せず、存在し、ゆるやかな時間がすぎている。そんな更地は名のとおり更地に戻っていくのだろうか。
     
 

自分自身のこの駅の記憶といえば、非常につまらないできごとのことだった。谷汲線沿線のある商店で昼食用に買ったクリームパン。口に入れたとたんに味の異変に気づいた。賞味期限が切れていた。地方に来た時は、なるべく地域の店でものを買う、地域経済にささやかな貢献をしたい、と思いながら、こんなことがあるとがっかりしてしまう。まあどうでもよいことだが。

2001年8月17日撮影 2006年3月13日 記

 
   
 
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