人が集い 列車が行き交い 時が流れる
駅には 歴史がある 文化がある 生活がある
そんな駅の肖像を描く 駅物語

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上総鶴舞 (小湊鉄道)
〜 唯一無二 小湊ワールド 〜

 

  2002年3月21日、この日関東地方は春一番が吹き、目をあけられないほどの砂嵐がまった。そんな日、内房線の五井で小湊鉄道に乗り換えた。そこからすでに「小湊ワールド」が始まっていた。今となってはJR以上に国鉄を思い出させるクリームと朱色のディーゼルカー。車内で切符を売る車掌さん(私が乗った時は女性、切符は伝票状の紙にパンチで穴を空けたもの)
     
  乗客もこの鉄道に乗るためにここまで来た、というような人が半分以上と見受けられる。特に目についたのが、いずれも若い女性のひとり旅で、一人はスケッチブック片手にしきりに車内の様子を描く美大系、もう一人は運転席かぶりつきの席があくやいなや狙いすましたかのようにさっと移動したその行動から女性鉄っちゃんらしい(一見そうは見えないのに)
     
  私は上総鶴舞で下車した。古い駅舎が大事に使われ、まわりの環境もよく、雰囲気のある駅として鉄道ファンの間であまりにも有名になった駅だ。駅には木があり、花があり、古い駅舎があり、絵に書いたような田舎の駅だ。自分も含めて7〜8人ぐらいの鉄道ファンが列車の撮影に集まっている。
     
  地元の中学生だろうか、休日の昼下がりを何をするでもなく駅のベンチに半分寝そべって携帯電話で長話をしている。少年時代特有の何をするでもなく浪費するだけのアンニュイな時間、それでいて後で思い起こしても、あの頃はよかったと思える時間、そんな少年時代を駅はしっかりと包みこんでいる。
(2002. 3.21撮影)
   
 
   
 
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